curating nature, shaping her style 拾い集めた石や貝から育まれた、ファッションの美学|武田美輝

表参道の古着店〈zoharu vintage〉を営む武田美輝さん。彼女はそのとき心惹かれた土地へ足を運び、買い付けを行う。まだ出合ったことのない“心惹かれるもの”を求めて探訪する。その揺るぎない姿勢こそが、彼女の原動力だ。石や貝殻などを拾い集めることから始まった、“集めて、並べる”という特別な時間は、今もなお続いている。

singing opens the doors 合唱から続く、文筆への道|伊藤亜和

2024年6月に初著作を発表して以来、立て続けに3作を上梓し、大きな話題を呼んでいる文筆家・伊藤亜和さん。彗星の如く現れた彼女の原点には音楽があり、自分自身を理解し、発信するためのツールとして執筆があった。音楽と文章、2つの方法で自分を表現してきた伊藤さんに、これまでの歩みとこれからのことを聞いた。

three fragmented personas 映画に出会うまでに感じた、3つに乖離するペルソナ|山中瑶子

映画監督として活躍する山中瑶子さんに、その道を志した原点について尋ねると、高校生で映画に出会うまでに感じていた3つのペルソナだという。学校での自分、家庭での自分、一人でいるときの自分。それぞれの人格が大きく異なっていたことに、強い違和感を持っていた。そんな過去が、どのように映画監督という道へと繋がったのか。その根底には、絶対的な存在として立ちはだかっていた母親の存在がある。そして彼女は、自らの作品で一貫して“取り乱した女性”を描いてきた。その理由についても語ってくれた。

a notebook that started it all 鮮やかな表現の原点にある、“カレーノート”という存在|アオイヤマダ

ダンサー、俳優、モデルなど、いくつもの顔を持つ表現者、アオイヤマダさん。彼女の表現の原点にあるのが、高校時代にひとりで食べ歩いた“カレーの記録”。誰の目も気にせず、心のままに書き綴った文章は、まるで踊るように自由だ。今も読み返すたび、自分の内なる声に耳を澄ませることの大切さを教えてくれるのだという。

share the learning フェミニズムの力で社会の景色を塗り替える|長尾悠美

「女性本来の意志を持ったスタイル」を追求し、2008年にスタートしたセレクトブティック〈Sister〉。オープン時からディレクションを担当し、2018年より代表を務める長尾悠美さんは、ショップを始めて10年を迎える頃から、「国際女性デー」に合わせて女性を取り巻く環境について伝えるイベントを続けている。フェミニズムにまつわる活動の原点にある、長尾さんの想いを聞いた。

a seamless creation weaving one world ネイルと花。シームレスな創作が織りなす、ひとつの世界|秋山かな

賑やかな表参道に位置しながらも、小さな路地を曲がった先にひっそりとたたずむ「青山レジデンスビル」。その2階と3階で、秋山かなさんは、ネイルサロン「Ten nail」と、花器と花のセレクトショップ「PART OF NATURE」を営んでいる。一見、全く異なるジャンルの店を掛け持っているような印象を受けるが、彼女のなかに境界はない。すべては創作の延長線上にあり、挑戦の積み重ねが今の彼女を作ってきた。

encounters reflect a new me 新しい自分を探し続ける、出会いと表現の旅|前田エマ

心惹かれるものがあれば、どこへでもふわりと飛び込み、出会った世界をそのまま表現する。モデルとしてのキャリアを持ちながら、エッセイや小説を執筆し、ラジオで言葉を紡ぎ、自由な発信を続ける前田エマさん。その原動力には、「もっと自分を知りたい」という好奇心と、色眼鏡を持たずに物事を見るニュートラルな視点があった。

color the world 色が紡ぐコスメと地球の未来|大澤美保

シャープな形状や繊細に散りばめられたラメが特徴的で、一般的なクレヨンとはひと味違う、ユニークな存在感を放つ「ハロヨン」。廃棄されたアイシャドウや口紅を原料に作られた画期的なクレヨンで、美容業界のサスティナビリティに取り組むプロジェクト〈COSME no IPPO〉から誕生した。化粧品をはじめとした広報PRとして活躍する大澤美保さんが手がけている。唯一無二の製品が生まれた背景には、幼少期から磨かれた、大澤さんが持つ“色彩への感性”という原点があった。

what you love is already inside you すべての始まりは、幼き日のお菓子作り|横尾かな

つぶらな瞳が愛くるしいペキニーズや困り顔のパグを表現したメレンゲ、舌を出したダックスフンドのチョコレートなど、あらゆる“犬”をモチーフにしたお菓子を作る横尾かなさん。彼女のそのスキルは製菓学校で学んだものではなく、すべて独学で身につけたという。学生時代は、インテリアやテキスタイルデザインに触れ、就職先としてアパレルブランドの会社員を選んだ彼女が舞い戻ったのは、子どものころ夢中になっていたお菓子作りだった。