serendipity and connections born from painting 描き続けた絵がくれた、巡り合う出会いの輪|YUUKI

マルチクリエイターとして、音楽、ファッション、アート、デザインと、さまざまな創作フィールドに挑戦しているYUUKIさん。2024年まで、“NEOかわいい”をテーマに、コンプレックスや個性を肯定する新たな価値観を広めた4人組バンド「CHAI」のベーシストとして活動。仲間とともに作品を作る喜びや、自己表現の面白さを経験した。そんな彼女を幼いころから変わらず支え続けたのは、“絵を描くこと”だった。

montmorillonite museum vol.07「水の石」| 小桧山聡子

〈Pedal & Senza〉の主原料である“モンモリロナイト”を、アーティストの感性・視点を通して作品へと昇華させ、その新たな魅力と可能性に迫る連載「montmorillonite museum」。今回は、感覚と食をつなぐ表現者・小桧山聡子が作る、おいしいモンモリロナイト。観察し続けることで気づいた、石と食の質感の共通点。

an exploration into material brilliance 素材への好奇心が切り開いたジュエリー作り| 岡本菜穂

ジュエリーブランド〈SIRI SIRI〉のデザイナー岡本菜穂さんは、ふとしたきっかけからジュエリーデザインの道に進んだ。ゴールドやプラチナ、ダイヤモンドなどプレシャスマテリアルを使うことが主流のなかで、岡本さんが選んだのは、ガラスや籐といった暮らしに根ざした素材。そのクリエイションは、ジュエリー業界に新風をもたらした。岡本さんのアイディアはいかにして生まれ、〈SIRI SIRI〉と共にどのように磨かれてきたのか、その原点を振り返ってもらった。

montmorillonite museum vol.06「MO Lamp」| So Tanaka

〈Pedal & Senza〉の主原料である“モンモリロナイト”を、アーティストの感性・視点を通して作品へと昇華させ、その新たな魅力と可能性に迫る連載「montmorillonite museum」。今回は、セメントや繊維板、アルミパイプなど、さまざまな素材からプロダクトを生み出すアーティストSo Tanakaの作品。原石の美しさをそのまま生かした照明器具が生まれた。

a seeker of connecting books and society 本と社会をつなぐ探究者|三宅香帆

『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)や『「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか』(新潮新書)などの著書が話題を集める文芸評論家の三宅香帆さん。ユニークな視点と文章で、新書や評論の堅苦しいイメージを塗り替え、現代を生きる多くの人に届けている。その根底には、本が好きで、読書の楽しさを伝えたいという思いがある。

surviving in a female-dominated society やめられない止まらない、愛しい女社会ウォッチング|龍淵絵美

<right> 母は5人姉妹、私は3人姉妹、そして私の娘は2人姉妹。思いきり女系家族に育った私が就職したのは、強い女性たちと少数の気弱な男性で構成される、モード誌編集部でした。“おしゃれで気取った龍淵(タツブチ)さん”を装いながら、密かに内包する 『ちびまる子』のような観察力とどうにも抑えられない分析癖。そんな私の核のルーツは、古い家の格式や伝統、嫁姑関係に苦労する女系家族から生まれたもの。 <br> 幼少期の私は、自己表現が困難だった時代に、ささやかな幸せを求める母世代の女性たちの会話にどっぷり浸かりながら、「ママは家を追い出されたらお手伝いさんしかお仕事の選択肢がないからね。自分の足で立てるひとになりなさい」という母の期待を、痛いほど感じていました。彼女たちを観察し、むしろ真反対の生き方を目指さざるを得なかったがゆえに、何かにつけてどうやったらそこに到達できるかと考え、様々な女性の生き方サンプルを分析する癖がついたといえます。 <br> 癖はやがて毎日やらなければスッキリしない習慣となり、ファッション業界を土壌に種子だったものがグイグイと芽を伸ばし成長。それはまるで筋トレのようで、強く個性的なファッション業界の女性たちの服装、会話、仕事、ライフスタイルを観察するうちに、どこに発表するわけでもないけれど、求められればすぐにキャラクターマッピングが作れるほどに!同時に私の核(観察力と分析癖)は、女性社会をうまく立ち回るための必要な手段となり、コレクションやトレンド分析、おしゃれスナップ特集を作る上でも重要なテクニックであったといえましょう。 </right> <left> 刺激的で楽しかったはずの仕事がだんだんと繰り返しになり、「トレンドを追いかけるだけの人生の先に幸せのゴールってあるの?」。そんな疑問がふつふつと湧いてきた30代半ば。36歳でやっとこさ結婚し、37歳で子どもを産み、私の芽は咲く場所を少し変えていきます。 <br> 新しい花壇は港区ママワールド。朝からパーフェクトに美しいキラキラママたちとランチをするのは、たくさんの発見と学びがありましたが、どっぷりそこに根を下ろせないソワソワがつきまといます。元来家庭的な人間でない自分は、「良い母にならねば!」という責任感はあれど、仕事での満足感を知ってしまった後に、家庭や趣味が人生の目標にはなりませんでした。私は自分の人生の命題(最重要課題)を探し続けました。求めていたものは、「生活のための仕事」、「家庭への愛情と責任」、それらとは別の何かです。 <br> コアバリューを高めるべく、フリーランスディレクターとして必要とされる仕事をできる範囲で受け続けました。新しい仕事は出会いを運んでくれ、独身時代のモード系女子、ママワールドで出会った主婦のママ友に加え、女性起業家やファッション分野以外の女性たちが続々登場。いま振り返れば40代は、女性観察の絶好のステージでもあったといえます。 <br> それでも「これ!」という手ごたえがないまま、50代を迎え、「いまのままは嫌」という恐怖と、「私って何?という気持ちでスレッズエッセイを何気なく始めたのが2023年。書くこと以外の他のことがどうでもよくなるような、猛烈な執筆スイッチが入ったその年の年末。ついに自分の本当の興味、ひいては人生の命題は、「女性と時代」を表現することであり、それこそが自分にとってのモードであると、急に光が差し込むようにビビッと訪れる瞬間がやってきました。 </left> <right> 若かりし頃はビジュアルであった表現が、いまは「ことば」。結局やっていたことは30年間、一本筋が通っており、続けてきたことは間違いではなかった。私の小さな種子は芽となり、いまようやく長い時間かけて蕾になり、勢いに乗って自著まで出版。この先、大輪の花になるかどうかはさておき、せっせと芽のお手入れをしながら育て続けることでしか到達しない何かがあるのは確かです。 <br> 自分のなかの違和感を誤魔化さない。ひとと同じを求めない。そして自分を諦めない。強い核を手に入れるのは、孤独な旅となるかもしれませんが、目の前の楽しさや集団の意見に流されず、凛と立てるひとでありたい。多数決の意見と「いいね!」の数が、いつも正解とは限りません。 <br> ひとの核とは、もともと備わっている小さな種子なのでしょう。どこの土に植え、どう育てていくかが生きるセンスであり、いまの時代には流行らない「やりとげる根性」ってやつが、いちばんの肥料なのかもしれませんね。 </right>

curating nature, shaping her style 拾い集めた石や貝から育まれた、ファッションの美学|武田美輝

表参道の古着店〈zoharu vintage〉を営む武田美輝さん。彼女はそのとき心惹かれた土地へ足を運び、買い付けを行う。まだ出合ったことのない“心惹かれるもの”を求めて探訪する。その揺るぎない姿勢こそが、彼女の原動力だ。石や貝殻などを拾い集めることから始まった、“集めて、並べる”という特別な時間は、今もなお続いている。

singing opens the doors 合唱から続く、文筆への道|伊藤亜和

2024年6月に初著作を発表して以来、立て続けに3作を上梓し、大きな話題を呼んでいる文筆家・伊藤亜和さん。彗星の如く現れた彼女の原点には音楽があり、自分自身を理解し、発信するためのツールとして執筆があった。音楽と文章、2つの方法で自分を表現してきた伊藤さんに、これまでの歩みとこれからのことを聞いた。

three fragmented personas 映画に出会うまでに感じた、3つに乖離するペルソナ|山中瑶子

映画監督として活躍する山中瑶子さんに、その道を志した原点について尋ねると、高校生で映画に出会うまでに感じていた3つのペルソナだという。学校での自分、家庭での自分、一人でいるときの自分。それぞれの人格が大きく異なっていたことに、強い違和感を持っていた。そんな過去が、どのように映画監督という道へと繋がったのか。その根底には、絶対的な存在として立ちはだかっていた母親の存在がある。そして彼女は、自らの作品で一貫して“取り乱した女性”を描いてきた。その理由についても語ってくれた。