my own charms support my life アイドル、ファッション、パズル。“好き”を支える、自分だけのジンクス|相川茉穂
相川茉穂(あいかわ・まほ)
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アイドルが教えてくれた
熱中する楽しさ
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ステージの上で輝くアイドルグループのメンバーとして、そして現在はモデルとして、常に人前に立つ一線で活躍を続ける相川茉穂さん。華やかな世界に身を置く彼女だが、意外にも幼少期は「引っ込み思案で、幼稚園の運動会には一度も参加したことがなかった」と振り返る。
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「当時は人前に出るのも嫌だったし、走っている姿なんて絶対に見られたくなかったんです(笑)。でも、好きなことに夢中になっている間は、周囲の目が気にならなくなる。母はそれをわかっていたから、私が熱中できるものを見つけられるよう、さまざまな習い事をさせてくれました。だから、どの時期を切り取っても、自分の核になるような好きなものがありました」
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最初に何かに熱中する楽しさを感じたのは、アイドルにハマったときだった。
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「幼稚園の年長の頃は『ミニモニ。』に夢中でした。その後一度は離れたけど、中学生のときに母から『これからももクロがくるよ』と教えてもらい、すっかり虜になってしまって。学校を休んでライブに足を運ぶほど熱を上げていました(笑)。バレエを習っていたのですが、普段のレッスンでみんなの前で踊るのは恥ずかしくて嫌だったんです。でも、発表会でキラキラしたステージに立つ瞬間は大好きでした。その特別な空間に立つという非日常に、強く憧れていたんだと思います」

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願いを言葉にすることで
掴み取ったアイドルの夢
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「好き」という気持ちはやがて「私もやってみたい」へと変化した。当時憧れていたアイドルグループ「スマイレージ」を目指すようになる。しかし、グループの募集自体がなく、別のオーディションからその第一歩を踏み出すこととなった。
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「最初は別グループのオーディションを受けたけど、落ちてしまって。でも諦め切れず、デビュー候補生が集まる『ハロプロ研修生』のオーディションを受けて、合格しました。その数ヶ月後、スマイレージに追加メンバーが加入されることが発表されたんです。研修生から選ばれるのですが、そんなの絶対に経歴の長い子が選ばれるに決まってると思い込んで、母に八つ当たりしたり、すごく荒れました(笑)」
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経験の差に絶望し、やり場のない焦りを爆発させていた日々。しかし、難しいと思いながらも、大好きなグループに入ることを決して諦めてはいなかった。
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「バレエを習っていたときから、引き寄せの法則をすごく信じていて。新月の日に『スマイレージに、まさかの3期メンバーで入れてマジ最高!』とすでに実現した形で紙に書いたり、自己実現のためのワークショップに通って、人前で自分の思いを発表したこともあります。家族以外に『アイドルになりたい』と話したことはなかったし、自信もなかったけど、それで願いが叶うなら頼りたかったんです。最近、当時書いたメモを見つけたと、母が写真を送ってくれたんですけど、そこに書いたことはほとんど叶っていて、自分でもびっくりしました」
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その熱意が実を結び、スマイレージから改名した「アンジュルム」に15歳で加入を果たす。まさに紙に書いた通りの、奇跡の逆転劇だった。しかし、念願のアイドルになってからも、彼女の不器用な戦いは続く。「リハーサルやボイトレをメンバーに見られるのは嫌でした(笑)」と彼女は当時を回顧する。それでも、ひとたびライトを浴び、華やかな衣装に身を包んでステージに立つ瞬間は、何よりも楽しかった。
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「普段の私なら、選んだ服が似合っているか、TPOに合っているかをすごく気にしちゃうんです。せっかく着飾ったのに『イマイチだね』って言われたらショックだから、つい地味な服を選んじゃう(笑)。でも、アイドルとして着る衣装は自分で選ぶものじゃなくて、『これを着る』って決められたものですよね。だから、どんなに歌やダンスが下手くそでも、どんなに人気がなくても、堂々とかわいい衣装を着て、ヘアメイクをしてもらえる。そういう大義名分があるからこそ、思いっきり着飾れることが嬉しくて楽しかったんです」
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「旅行先でも動物のぬいぐるみやキーホルダーを見つけると、ときめいちゃいます」と話すほど、つい惹かれてしまうという動物モチーフのアイテム。うさぎのパペットを愛らしく動かしてくれた。
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母や祖父から受け継ぐ
クリエイティブなオタク魂
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グループ卒業後は大学で写真を学び、「流れに身を任せていたら、今の仕事をしていました」と振り返るように、当初から明確にファッションの道を志していたわけではなかった。それでも、アイドル時代に純粋に服を楽しんでいた彼女の姿は、見る人へと自然と伝わっていた。
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「当時はブログを更新するために写真が必要で。オフの日は家族や地元の友だちと過ごしていたので、必然的にプライベートな日常の写真が多かったんです。それを見たファンの方が『この私服、どこのブランドのものだ』と情報をまとめてくれたり、握手会で『前、こういう服を着てたよね』と声をかけてくれて。私はただ、好きな服を選んで着ていただけ。でも、ファンのみなさんの反応を通して、初めて『私って、こういうものを選んで着ていたんだ』と客観的に知ることができたんですよね。それからだんだんと、周りのスタッフさんからも『服、好きなんでしょ?』という目線で見ていただけるようになって、自分からも『実は服が好きなんです』と、言えるようになったんです」

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大切な家族である愛猫・ゾーイの写真。話題に上がると、「かわいいんです」と相川さんの顔もほころぶ。
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いつの間にか培っていた彼女の独特な色彩感覚やファッションセンス。その背景には、母親からの大きな影響があった。
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「今でも母と一緒に買い物に行きますし、母が20代の頃に着ていたお下がりの服をもらったりもしますね。今は実家で母がひとりで暮らしているんですけど、帰省するたびに家がアップデートされていて(笑)。洗面所がタイル張りになっていたり、トイレの壁がデイヴィッド・リンチの映画に出てくるような深い赤になっていたりするんです。そういうクリエイティブな実家を見ると、表現に正解ってないんだなと感じさせられますね」
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そして、絵画一筋に生きた祖父の気質を受け継いでいると、強く感じた瞬間もあった。
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「祖父は、私から見たら『全部同じじゃない?』と思ってしまうような抽象画を、生涯描き続けている人でした。でも、亡くなったあとにアトリエへ行ったら、そこにはかわいい絵がたくさん遺されていたんですよね。もともとSF映画や宇宙人が大好きな人だったんですけど、その絵にも宇宙人がいっぱい描かれていたり、自分自身を宇宙人みたいに描いた作品があったりして。アトリエに遺された絵を見たとき、私のオタク気質で熱中しやすい部分は、祖父譲りなんだなと腑に落ちましたね」
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安らぎをくれる
パズルゲームとマイルール
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これからの展望について尋ねると、「好きなお仕事ができて、生活も楽しめているから、これ以上は求めていない」と、飾らない笑顔を見せる。ただ、好きなことを生業にしているからこそ、大切にしているのは仕事と趣味とのバランスだ。そんな相川さんにとって、息抜きのひとつになっているのがパズルゲームだという。手を動かしながらひたすら没頭できる遊びが、子どもの頃から好きだった。
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「飛行機の中では、機内が暗くなったあともiPhoneのライトで照らしながら、ずっと数独をやっていました。新聞に載っているワードパズルを人からもらって解くのも好きですね。今振り返ると、多分それって現実逃避なんだと思います(笑)。パズルみたいなものに没頭して、細々と手を動かしながら、ああでもないこうでもないと頭を抱える時間が、私にとってはすごく落ち着くし、好きなんです」
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幼少期から遊んでいたというパズルゲーム・ラッシュアワー。カードの通りに車を置き、赤い車を外に出すというルール。「いつもイライラしながらやっています(笑)」と相川さん。下に置かれているのは、数カ月かけて進めていたゴッホの『星月夜』のパズル。
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パズルに没頭する時間に救われる一方で、今でもやりたいことは紙に書いて財布に入れておいたりと、自分の中で決めたジンクス、決まりごともまた、相川さんの日常を形作っている。
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「階段は、絶対に左足で終えたいんです。降り始める前に『こっちの足からスタートすれば、最後は左足になるな』って計算するんですけど、たまに間違えちゃうときがあって(笑)。そういうときは、段の手前で『スタタッ』とステップを踏んで左右を入れ替えます。あとは洗濯物を干す順番や畳む順番、掃除機をかける順番なんかにもマイルールがありますね。全部、自己満足なんですけど、私にとっては毎日をちゃんと終えるための、お守りのような習慣なんです」
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そうしたルールに加えて、相川さんにとって何よりも大事なのは、好きなものに囲まれて暮らすことだ。
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「狭い家に住んでいるし、生きにくい世の中だし(笑)、難しいこともいっぱいあるけど、それでもお気に入りのものがふと視界に入ると、それだけでテンションが上がるんです。周りの目を気にして普段は地味な服ばかり着ちゃうけど、たとえば靴だけはすっごくお気に入りの一足を選んでみる。そうすると、歩いているときにそれが視界に入るだけで、気分がよくなるんですよね。そうやって自分自身をご機嫌にできるようにしていたら、それだけでちょっとはリラックスできるのかなと思うんです」
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